-

カテゴリ : 
 »
執筆 : 
Blogger's Avatar  2011-2-21 17:33
 1月はそんなに遅れないで更新できたと思いきや,今月はまた大きく遅れてしまいました。更新しようと思った矢先に38度以上の高熱で,結局ウィルス性胃腸炎でしたが,去年は急性腸炎ということだったので,消化器系には気をつけないとなあという感じです。結構流行っているらしいので,みなさんも気をつけてくださいね。まあ,気をつけるといっても「何を?」って感じですけど。身体を冷やさないようにとか,手洗いとか,普通のことぐらいしかないですよね。心理的なことも,日頃のちょっとしたリフレッシュを心がけていることが,健康を保つコツだと思います。この程度のこと,と思っていても,小さなことの蓄積がいつの間にか大きな問題に発展していたり,反対に問題を未然に解消していたり,繊細に見ていくとそういうことが起こっているなあと感じています。
 今回は,最近聞いた話で,スーパーヴァイザーとしてどうあるかということを,僭越ながら書きたいと思います。ある人が,スーパーヴァイザーを探していて,ようやく「この人なら」と思える人に出会ってスーパーヴィジョンを受け始めたそうです。しばらくして,そのヴァイザーから「この問題は私には扱いきれないから,他のヴァイザーを探してほしい」と言われて,途方に暮れたとのこと。これを聞いて,みなさんはどう感じますか?まあ,諸事情がありますし,ケースバイケースではありますが,僕は瞬間的に「そういうことを言うなら,最初からスーパーヴィジョンを引き受けるな!」と思いました。一般のケースでは,インテイク(受理面接)の段階あたりでセラピストが自分の力量を明らかに超えると判断する場合,適切な他のセラピストを紹介することはあります。でも,スーパーヴィジョンの場合は事情が異なると思います。
 そもそも,スーパーヴィジョンというものは,セラピストが対応できなかったり抱えきれなかったりというケースについて,セラピストを背景から巨木あるいは大器のように支えたり抱えたりするという役割を持っていると思います。その意味では,ヴァイジーであるセラピストはもとより,そのクライエントさんに対しても責任を負います。ヴァイザーの助言や指導によって,セラピストの見立てや援助方針に影響を与えることに加えて,もう少し踏み込むなら,ヴァイジー=ヴァイザーの関係性で起こってくることは,クライエント=セラピスト関係にも影響を与えます。また,その逆もあり得ます。このような構造の中で,ヴァイザーがヴァイジーを断る(見捨てる)ことがどういう影響を与えるのかということについては,よくよく検討し話し合った上でなければならないはずです。でも,この話を聞いた限りでは,そのような配慮は感じられませんでした。とすると,安易に引き受けて手に負えなくなったら安易に手を離したというように見えてしまいますし,もしそうだとすれば強い憤りを感じるのです。
 もちろん,当事者でない者が外からあれこれ言うというのは,様々な事情を知らないので誤解している部分もあると思いますし,そのヴァイザーが誰かということも知らないので,別に糾弾するとかいうつもりもありません。スーパーヴィジョンに対する考え方も様々あるかと思いますので,それは両者の合意の元になされるのであれば僕が口を挟む問題ではありません。また,実際にスーパーヴァイザーをされている方は,僕よりも経験を積んでいて人格的にも優れた方が多いでしょうから,僕がこのようなことを書くのも僭越だとも思います。ただ,今回この話を聞いて,僕のスーパーヴィジョンに関する考えとはあまりにもそぐわなかったことから,スーパーヴィジョンを引き受けるとはどういうことかについて考えていることを,改めて書いてみようと思った次第です。スーパーヴィジョンを受ける方にとっても,何かの参考になれば幸いです。

トラックバック

トラックバックpingアドレス http://www.kokoro.net/modules/cp_blog/tb.php/167