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Blogger's Avatar  2013-2-18 20:40
 毎度のことながら,お待たせしてしまってごめんなさい。2月は確定申告の作業を進める時期なんですが,メールマガジンの自動入稿システムを作ったところトラブルが生じて,結局は利用している配信システムの不具合だったんですけど,調査に手間取って確定申告の作業が遅れ気味でした。まだ終わっていませんが,ようやく一段落したのでブログを書いているという次第です。先週は,その合間を縫って2つのミニセミナーをオフィスのサイトの方に掲載したので,今回はそれについて書きたいと思います。
 一つ目は「からだことば〜無意識の智」というタイトルで,日本語には感情を身体の部位で表現する豊かな言語文化があるので,そういった「からだことば」を参考にしながら,身体的アプローチを活用することで自分自身の身体を通して,無意識の智を得ていこうというセミナーです。身体的アプローチも広く考えるとたくさんありますが,僕自身にもなじみが深い,フォーカシングとプロセスワーク(プロセス指向心理学)を主に活用していきます。身体というのは無意識とのつながりが深いというか,無意識が身体を通して感情などを表現していることが多いのですが,それが症状化すると心身症と言われる様々な身体症状で表現されます。そこまでいかなくても,身体のちょっとした違和感,身体感覚やふとした動作などに注意を向け,丁寧に向き合っていくことで,腑に落ちるような言葉が沸いてきたりします。それを通して無意識に隠れていた感情に気づくと,不思議とその違和感がなくなったり小さくなって,大きな症状になる前に予防できたりもします。僕も自分の身体を通して,また臨床実践の中でも様々な経験をしてきましたので,皆さんにも体験をとおして身体を通した気づきを得る機会を提供できればと思い,企画しました。

 二つ目は「発達障害とプレイセラピー」というタイトルで,公的機関における教育相談に長く従事している中で,臨床実践で培った知見や学会の研究発表を通して考えたことなどが蓄積されてきたので,発達障害(主に高機能広汎性発達障害やアスペルガー障害)の認知的特徴などを理解して,プレイセラピーを中心とする心理的援助につなげていくコツのようなものを共有していこうとするセミナーです。発達障害に対して,従来と同じような心理療法を用いても無効だというような見解も散見されますが,学校の中で不適応を生じるような水準であれば,その個性ともいえる特徴を理解しようとする工夫することで,充分にプレイセラピーが機能することを感じてきました。成人であっても,臨床経験を通してそういった知見を応用することができるとも考えるようになりました。発達障害に対しては,指導的アプローチによる方法論が議論されることが多いのですが,その特徴を理解した上で共感的に関わることもできますし,むしろ発達障害という理解されづらい特徴をもつからこそ,共感的に理解される体験が大切になると考えています。何らかの形で,発達障害といわれる特徴を持つ人に関わる皆さんを対象として,一緒により深く理解する方向性を共有していきたいと思い,企画しました。

 いずれも,ミニセミナーという2時間30分のコンパクトな形で,僕が講師という立場である程度のテーマやトピックは提供しますが,参加者の皆さんの感じたことやご意見・ご質問などを大切に共有して,より話題を広げたり深めたりする形式をとりたいと思っています。ただ講義を聴くだけというような形では,あまり後で活かされることも少ないように感じていますので,「からだことば〜無意識の智」なら皆さんの身体を通した気づきの体験を共有したり,「発達障害とプレイセラピー」なら皆さんが体験した実際の関わりを共有したりして,少人数で気軽にコミュニケーションを発展させていく体験ベースの座談会のような場にしていきたいと思います。セミナーは毎月行う形で,毎回ある程度の方向性を掲げて,違う角度から体験していったり理解を深めていったりできればと思います。ゼロから企画を立ち上げて,4月から始めたいと思いますので,皆さんと有意義な場を作っていければと思います。セミナーの詳細については,▼こころオフィス・盛田▼のサイトをご覧ください。セミナーを通してお会いできることを楽しみにしています。

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