第１回の体験会は，「こころオフィス・盛田」で行われました。これまでに講座などでご縁のあった方に先行してお知らせしていたところ，比較的早い時期に満席となりました。そこで，第２回の１１月１０日は，もう少し人数が入れる会場を借りて行うことにしましたので，この機会に体験していただければうれしく思います。シャーマニック・コラージュは，予備知識が全くなくても子ども心に帰るような感覚で楽しんでいただけるものですが，コラージュ作品に表現された夢世界に入って無意識とつながるために，変性意識と呼ばれる状態に導かれる必要があります。その点で，初めて体験する人がどのぐらい夢世界に入れるかが少し懸念だったのですが，思っていた以上に参加者のみなさんそれぞれが深い体験をされていました。自画自賛みたいですが，子ども心を呼び覚ますような入り方を工夫していたので，それが功を奏したのだと思います。僕自身も，それぞれの体験を共有させていただき，とても有意義な時間を過ごせました。参加されたみなさんに，この場を借りて改めてお礼を申し上げます。

　変性意識状態というと，トランスパーソナル心理学関連の体験をされた方などにはなじみがあると思いますが，催眠で用いられる眠りに近い意識水準という方が，一般的には想像しやすいかもしれません。トランスパーソナル心理学の中には，深い変性意識状態を誘発するために，欧米ではドラッグが使われることがあったり，呼吸などで用いた激しい身体動作を行ったりという試みがいろいろと行われてきています。身近なところでは，酔っ払った状態やスポーツ観戦やコンサートなどで興奮が高まった時にも起こりますし，日常の中でも，瞬間的に意識状態が変わって意図しない言動をするということにも関連しています。カウンセリング／心理療法においても，直接・間接の違いはありますが，多くの技法において深い気づきをもたらしたり，心の癒しにつながるものとして活用されています。変性意識状態にも様々なものがありますし，レベルも浅いものから深いものまであるので，その意識水準を見定めていかないと危険な場合もありますから，実施する側にはきちんとしたトレーニングが必要です。

　シャーマニック・コラージュでは，子ども心に帰って遊ぶような感覚を用いることが，変性意識状態に導くポイントになっています。カウンセリング／心理療法では「治療的退行」といって，クライエントさんが子ども帰りするような感じになったり，アートセラピー系の多くは「退行促進的」といって，子ども心に帰って表現することがカタルシス（浄化）効果につながったり，理論的にはそういった効果を想定しています。この「退行」も変性意識状態との関わりが強いことから，シャーマニック・コラージュではさらに子ども心で遊ぶ感覚を取り入れて，プレイセラピー的な形で夢世界を体験するワークを行います。このことによって，アートセラピー的なカタルシス効果だけでなく，安全に変性意識状態に入っていくことで深く豊かな気づきがもたらされます。その気づきも，単に非日常へ逃避するような場にすることなく，日常に役立てられるような形に橋渡しをしていきます。▼シャーマニック・コラージュ研究会▼では，このような解説も含めていろいろ書いていますので，ご参照ください。１１月１０日の第２回無料体験会でも，実際に体験していただければ幸いです。