春の季節の変わり目は,心身の調子を崩しやすい時期なので,皆さん気をつけましょう。・・といったことをFacebookページの方で書いたんですけど,僕もあまり調子が良くなかったです。言い訳ですが,それでなかなかこのブログまで手が回りませんでした。GWの予定のある方は,ぜひ楽しんでストレス解消しましょう。アメブロとFacebookページの方は,日々何とか更新を続けていますので,関心のある方はそちらもご覧いただければと思います。今回は,対人関係プロセスワークについてです。
プロセスワークについては,ユング心理学の発展型として,何度かブログでも触れてきたと思います。プロセスワークでは,ユングが提唱したシンクロニシティの概念を発展的に整理して,代表的な6つのチャンネルで分類しました。それは,視覚,聴覚,身体感覚,動作,対人関係,世界です。この中で最初から4つ目までは,基本的に自分自身の「内」で起こっていると認識されますが,最後の2つ,対人関係と世界は,自分自身の「外」として認識されます。本質的には,どちらも無意識から起こっていて,その意味に気づくことが中心的なアプローチなので,それほど区別しているわけではありません。違うとすれば,「外」で起こっていると認識されると,一般には自分のこととして気づきづらい点が挙げられます。プロセスワークでは,「自分であるもの」と「自分でないもの」は表裏一体のように捉えますが,「外」のものは「自分でないもの」と感じやすいと言えます。「自分でないもの」は,自分から遠い分,無意識の領域ですから,それだけ深い気づきとつながっていると言えます。
もちろん,自分自身の「内」にあっても,「自分でないもの」はあります。それは,心身の症状が最も典型的なものでしょう。プロセスワークでは,「自分であるもの」も大切にしつつ,「自分でないもの」に大切な気づきが含まれていると考えてアプローチします。心身の症状は本来,本人が向き合い,取り組まざるを得ないものとして表れますが,一般的には医療的なモデルの感覚が強いので,どうも「何とかしてもらうもの」という方向で本人が捉えてしまう傾向が強くなっています。もちろん,プロセスワークのアプローチで症状の意味をひもといて無意識のメッセージに気づくという価値がわかってくると,主体的に症状に向き合う姿勢も育まれてくるのですが,医療的なモデルから抜けられない人も見られます。そこで,僕としては「対人関係プロセスワーク」を専門にして,対人関係のアプローチを中心に据えることにしました。対人関係は,自分の「外」と認識されてしまう難しさはあるものの,対人関係を通して自分の成長につながるという感覚を持っている人も多く,自分の「内」が「外」に反映されていて,「自分が変われば世界が変わる」ことを理解しやすくもあります。
心身の症状も,対人関係の困難やトラブルも,いずれも本質的には自己成長のための無意識のメッセージを含んでいると言えます。心身の症状は「内」という認識に始まるため,「内」の成長という感覚が強いのですが,その人が生きる日常である「外」とつなげるという意味では,一種の自己満足に陥る可能性があります。いろいろなことに「気づき」があったからと,自分が高まっていることに満足してしまい,日常で生きる自分を活かすことに関心が向かないという状態です。トランスパーソナル心理学に関心をもつ人やスピリチュアリティを志向する人たちは,その傾向が強いと言えます。でも,無意識の気づきというのは,本質的に日常で生きる自分を活かすためのものだと,僕は考えています。自己成長というのも,「内」なる成長だけでなく,「外」へ自己実現していくことが重要で,両方が揃わなければ,真の自己成長や自己変革とは言えないと思います。ですから,「対人関係プロセスワーク」は,「外」で起こった対人関係をきっかけに「内」なる成長を遂げて「自分が変わり」,「外」の対人関係を変え,自己実現により「世界が変わる」ところまでつなげることを目指しているのです。
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▲こころ道場/こころオフィス・盛田▲