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Blogger's Avatar  2015-6-26 0:41
 梅雨に入って,何か気分が乗らないという人も多いと思います。雨の日は憂鬱な気分になるという人も多いですが,これには気圧が関係しています。気圧は自律神経に影響を与えるので,心身を問わず慢性的な症状をもっている人は,気圧による症状の変化を敏感に感じます。特に症状がなくても,何となく気分が乗らないという感じになります。逆に,休養を取って心身を回復させるにはいいので,できるだけゆったり過ごしましょう。さて,今回は劣等感と自己成長について書いていきます。
 劣等感というのは,自覚の有無という違いはありますが,誰でも心の奥にもっています。劣等感がないと主張する人にもたまに会いますが,自分の劣等感と向き合えないので優越的な位置に自分を置こうとしている人がほとんどです。劣等感はすべて克服したようなことを言う人もいますが,克服したというより,完全に無視しているという印象を受けます。このような人々は,自己成長から遠ざかってしまっていると言えます。反対に,劣等感にさいなまれて動けなくなったりすると,自分を信頼できなくなっているので,これも自己成長から遠ざかった状態です。劣等感がある自分を含めて自分だと認めて受け容れられていると,その人は自己成長の過程にいると言えます。自己成長というと,何か劣等感をなくすように受け取られるかもしれませんが,自分の劣等感としっかり向き合っていることが,自己成長につながっていきます。劣等感をバネにして成長するようなイメージになりますが,自己成長できる人は,劣等感と向き合えています。

 メンタルが強いと言われ実績を上げている人のインタビューや著作などを見ていくと,自分の弱さをよく知っていて,それを受け容れているという姿勢が共通して見られます。失敗や敗北から学ぶという姿勢も,ビジネスやスポーツの分野を中心に,かなり共通性が見られます。このような姿勢をもつ人の話に注目していくと,自分がもっている劣等感を自覚して向き合っていることが読み取れます。でも,劣等感を向き合えない例を出したように,自分の劣等感を向き合って受け容れていくことは,とても勇気がいることだと思います。誰でも,自分が上手くできていないことは認めたくないものです。それはたくさんの子どもと接してきて,遊びのルールを自分に都合よく変えてしまうことが頻繁に起こるのを見ても,小さい頃から心の反応として自然なものです。なので,劣等感と向き合えないとしても,それが責められるようなことではないということもお伝えしたいと思います。僕の中にも劣等感はたくさんありますし,最近になって気づいて向き合おうとしていることもあります。劣等感には深さのレベルがあって,深い劣等感と向き合うほど,高い自己成長につながっていくように感じます。

 カウンセラー/セラピストなどは,クライエントさんが抱えているテーマやクライエントさんとの間で生じる関係性の中で,自らの劣等感と向き合うことになる機会もよくあります。この意味で,自分の劣等感に気づいていないと,クライエントさんの抱えているテーマに巻き込まれたりするので,カウンセラー/セラピストとしての自己成長という意味でも,劣等感と向き合う姿勢はとても大切です。カウンセラー/セラピストが自分の劣等感と向き合う勇気を育んでいることが,クライエントさんが劣等感と向き合う勇気をもてることにもつながります。この「勇気」が,自己成長を支えると言ってもいいでしょう。最初は,自分でも自覚があってそれほど脅威にならない劣等感から向き合ってみるといいと思います。ただし,すべて独りでやろうとするのはとても難しいことです。専門家なら,教育分析などを通して心理的サポートを得ながら進めるのが大切だと思います。一般の方なら,カウンセリング/心理療法になるでしょう。僕も,プロセスワークのトレーニングプログラムを通して,サポートを受けながら向き合ってきたので,その大切さを痛感しています。自己成長プロセスワークを掲げたのも,そのような心理的サポートを提供したいと考えたからです。

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