今月もお待たせしてしまいました。桜も咲き始めて,春らしくなってきましたね。年度替わりの時期で出会いと別れの重なる時期でもあります。新しい環境や人間関係が始まったりするので,意外にストレスがかかる時期なので,できるだけ変化を楽しめるような心もちで過ごせるといいと思います。僕の方は,プロセスワークのフェイズ1プログラムが2年間で修了を迎えたところなので,それに関連して感じたことや,今後の展開を含めて書きたいと思います。
プログラムの締めくくりには修了論文を書いて,修了式ではその発表をするのですが,論文を書く過程でも,ケースを振り返る中で僕自身のテーマを振り返る側面もあり,2年間の総まとめをするような感覚がありました。心理臨床というのは,クライエントさんとの出会いを通してセラピスト自身の内面のある側面と向き合う過程になるということも多いのですが,修了論文を書くことになったケースは,その最たるものという感じでしたね。論文の大きな軸としては,“内なる批判者”という無意識的な心の働きに着目したのですが,僕自身のテーマの中でも“内なる批判者”と向き合うことがひとつの大きな要素になっていました。セラピストがそういう関係性における共時性と言えるものに気づいて,セラピスト自身のテーマとしっかり向き合うことで,クライエントさんとのセッションも良い方向に展開していきます。プロセスワークでは“フラクタル”という言い方をしますが,広い意味では自分は世界とつながっているということが実感を伴って体験できて,「起こっていることには意味がある」ということを信頼できるようになっていきます。臨床的には,そのようなトランスパーソナルな次元への広がりが大きくなり,セラピストとしての成長を遂げてきたと感じています。
個人的なテーマとしては,自分の中にあるパワーを自覚して発揮していくこと,「たましいの願い」を含む自分が心から求めているものに気づき自己表現につなげていくこと,そういったことに取り組んできました。ブログでは初めて書きますが,プライベートな活動でボーカルとしてバンドに所属して,初めて人前で唄うというライブを経験することを通して,歌を通して自分を表現することが生きる喜びにもつながっている実感を得られてきました。僕の「個性化の過程」の中では,この体験は大きな転換につながっていて,プログラムを修了した後は時間的にも経済的にも少し余裕が持てるようになるので,歌の活動も発展させていく方向で,これからいろいろ準備を進めたいと思っています。今のところ,活動をここで告知をするようなものでもないと思うので,ブログでは時々その過程を書いたりする程度になりますが,音に関するプロセスワークの応用といった形では,セミナーなどを通して活動が広がっていくようなイメージをもっています。勉強仲間のフィードバックなどをもらいながら,セミナーなどで提供しやすい形を考えていきたいと思っています。歌でも,心を届けて心に響くような表現活動をしていけるようにとは考えていますので,何か大きな展開が生まれてくるようならお知らせしたいと思います。
臨床心理士としても,資格取得から10年を迎えます。2年間でプログラムを終われるように努力してきて,このタイミングで修了を迎えられたので,大きな節目が重なっている感じです。修了に伴い,「プロセスワークプラクティショナー」という資格を取得できたので,仕事を通してもプロセスワークを実践していけるように,これまで培った臨床心理士としての経験も活かしながら,新たな展開につなげていきたいと思います。オフィスのサイトの方も,年度替わりに際していくつか発展的に変更を加えていきますので,ひとつの節目を迎える形になります。この2年間,僕自身が内的に大きな変容を遂げてきたと感じていて,それが現実的な変化として現れてくるには少しタイムラグがあると思いますが,これからの1年ないし数年は,プライベートも含めて人生の大きな節目にもなっていくように感じています。プログラムの修了が近づくにつれ,内的な変化を反映しているのでしょうが,何度か身体の変調もあったりして心身が疲れているようにも感じています。大きな変容のためには,心理的な意味での象徴的な死と再生が必要になりますから,修了までやりきった自分をねぎらって,休養も大切にしながら歩みを進めていこうと思います。これからも,よろしくお願いいたします。