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またもや更新が遅れました。お詫びのしようもありませんが,ごめんなさい。忙しい状況が続き,ストレスがかかることもあって,初めて帯状疱疹というものになりました。痛い痛いとは聞いてたけど,布が触れただけで痛いので,本当に大変でした。身体というのはいろいろなシグナルを出してくれるんだけど,忙しくしてたりすると素通りしがちで,ボディワークをする者としてはもっと自分の身体とコミュニケーションしなくちゃと反省もあり,まあいろいろと,前後に起こった出来事も含めて,自分を見つめ直す機会になったと思います。
さて,今回は題名通り「現場感覚」というものを最近よく考えるので,取り上げてみようと思います。臨床心理士というのは,臨床心理学に基づいて様々な理論や技法を学ぶわけですが,いざ現場に入ってそれを活用しようとすると,学んだことがそのまま通用するということは少ない。カウンセリング/心理療法というのは,基本的に1対1の関係で,枠という構造の中で考えられてきた部分が多くて,それを教育や医療・福祉といった組織やチームとしての構造ができている中で原理・原則通りやろうとすると難しいということは,たぶん現場に入っている臨床心理士だったら経験しているんだと思う。やはり現場では現場感覚というか,現場の中で臨機応変に考えていくということが重要になるので,頭でっかちに大学院で習った原理・原則を頑なに適用しようとすると,いろいろと現場では不都合が起こる。これから現場に入ろうとする人は,そういうことを踏まえておいた方がいいと思うし,僕自身のスタンスの確認も含めて書きますね。
例えば,スクールカウンセラーなどで学校現場に入ると,教員との関係や保護者が絡んでくるし,教育相談でも指導主事(基本的に教員)や保護者,医療現場なら医師をはじめ医療スタッフ,産業系だと産業医や人事関係者,まあいろいろな人との関係が絡んでくる。また,その現場でのやり方や,複数の心理職がいればその現場に合わせて工夫してきた歴史とか,様々な背景とか文化的なものがあって,その現場の構造というものができあがっている。現場に入ったら,その現場の背景や構造の中での枠というものを考える必要があって,1対1の面接構造が可能ではあっても,そこでの枠は,いわゆる大学院で学ぶような枠とは異なっている。原理・原則としての枠はやはり1対1の面接構造のみを考えた枠であって,現場の枠というのはその現場の構造をひっくるめた中での面接構造となる。
さて,今回は題名通り「現場感覚」というものを最近よく考えるので,取り上げてみようと思います。臨床心理士というのは,臨床心理学に基づいて様々な理論や技法を学ぶわけですが,いざ現場に入ってそれを活用しようとすると,学んだことがそのまま通用するということは少ない。カウンセリング/心理療法というのは,基本的に1対1の関係で,枠という構造の中で考えられてきた部分が多くて,それを教育や医療・福祉といった組織やチームとしての構造ができている中で原理・原則通りやろうとすると難しいということは,たぶん現場に入っている臨床心理士だったら経験しているんだと思う。やはり現場では現場感覚というか,現場の中で臨機応変に考えていくということが重要になるので,頭でっかちに大学院で習った原理・原則を頑なに適用しようとすると,いろいろと現場では不都合が起こる。これから現場に入ろうとする人は,そういうことを踏まえておいた方がいいと思うし,僕自身のスタンスの確認も含めて書きますね。
例えば,スクールカウンセラーなどで学校現場に入ると,教員との関係や保護者が絡んでくるし,教育相談でも指導主事(基本的に教員)や保護者,医療現場なら医師をはじめ医療スタッフ,産業系だと産業医や人事関係者,まあいろいろな人との関係が絡んでくる。また,その現場でのやり方や,複数の心理職がいればその現場に合わせて工夫してきた歴史とか,様々な背景とか文化的なものがあって,その現場の構造というものができあがっている。現場に入ったら,その現場の背景や構造の中での枠というものを考える必要があって,1対1の面接構造が可能ではあっても,そこでの枠は,いわゆる大学院で学ぶような枠とは異なっている。原理・原則としての枠はやはり1対1の面接構造のみを考えた枠であって,現場の枠というのはその現場の構造をひっくるめた中での面接構造となる。
本格的に春という感じで暖かくなってきました。花粉症の方はつらい季節でしょうが,お大事に。僕は子どもの頃からアレルギー体質なんだけど,元々服用している抗アレルギー薬の作用のおかげか,花粉症という形ではあまり出てないです。さて,フォーラムの方で開業心理臨床についての話題が活発化してますが,その中で「社会性」という言葉が出てきたので,補足も兼ねて少し書きたいと思います。
「社会性」という言葉は,心理臨床に携わる人たちにも,その必要性はよく言われます。ただ,一般的に「社会性」といった場合,社会人としてのあり方とか社会生活を営む上でのスキルみたいなものを指すんでしょうが,心理臨床の場合はちょっと違うと思います。カウンセリング/心理療法の場としてクライエントさんと会っている時,そこは非日常の場になっているので,クライエントさんの非日常の場にいながら,どう日常とつながっていくかということが重要になるんだろうと考えています。もちろん,一般的な意味での「社会性」も身につけていなければ,臨床心理士だって社会人ですから,組織でやる以上好き勝手にやれるわけでもないので,できることなら職に就くまでにある程度の社会性は身につけておいてほしいと思っています。僕は社会人からの転向組ですけど,普通に大学院を出て臨床心理士になって仕事に就いたという人だと,社会性が乏しいと思うことも時々あります。それは無理もないことだし,僕だって社会に出た頃は結構はずれてたから人のことは言えないんだけど,専門性との兼ね合いということがあるので,臨床心理士の場合は少し一般社会人と事情が違うように思うんです。
「社会性」という言葉は,心理臨床に携わる人たちにも,その必要性はよく言われます。ただ,一般的に「社会性」といった場合,社会人としてのあり方とか社会生活を営む上でのスキルみたいなものを指すんでしょうが,心理臨床の場合はちょっと違うと思います。カウンセリング/心理療法の場としてクライエントさんと会っている時,そこは非日常の場になっているので,クライエントさんの非日常の場にいながら,どう日常とつながっていくかということが重要になるんだろうと考えています。もちろん,一般的な意味での「社会性」も身につけていなければ,臨床心理士だって社会人ですから,組織でやる以上好き勝手にやれるわけでもないので,できることなら職に就くまでにある程度の社会性は身につけておいてほしいと思っています。僕は社会人からの転向組ですけど,普通に大学院を出て臨床心理士になって仕事に就いたという人だと,社会性が乏しいと思うことも時々あります。それは無理もないことだし,僕だって社会に出た頃は結構はずれてたから人のことは言えないんだけど,専門性との兼ね合いということがあるので,臨床心理士の場合は少し一般社会人と事情が違うように思うんです。
トップページにもPRがありますが,「認定クリエイティヴ・セラピスト養成土曜講座」の体験版という形で,無料体験・公開講座「クリエイティヴ・セラピー」を開催することになりました。体験したからといって養成講座の受講をしなければいけないというわけではないので,気軽に体験してみてください。心理学やカウンセリングのことはほとんど知らない状態でも,専門家でも充分楽しめて学べる講座になるように企画していますので,たくさんの方のお越しをお待ちしております。
先日,といっても何ヶ月も前だけど,「私設心理相談」(要するに開業心理臨床)の研修会に行ってきました。それで,しばらくしてからその感想を書いてほしいと知り合いを通して依頼があって,自分の意見も含めて書かせていただいたので,それに関する話をしようと思ってます。例によって,ブログでは一般用語である「開業」という言葉を使わせていただきますので,(関係者の方)ご了承ください。研修会の感想はおいといて,自分の意見の部分を,もう少しざっくばらんに書きます。
臨床心理士に限らず,カウンセリング/心理療法の領域は民間資格が乱立状態で,数日程度の研修で資格が得られるお手軽なところから,学校的に1年程度のカリキュラムが組まれているところまでいろいろ。心理学を学びたいというニーズは,一時のブームは落ち着いてきているとは言ってもまだ結構あって,学びたい人が学べる場があるということはいいことだと思う。僕だって,認定クリエイティヴ・セラピストという民間資格の講師の一人でもあるわけで,コラージュや芸術療法,臨床色彩心理学に関心のある人にとってはそれを学べる場を提供している立場だし。問題にしたいのは,開業を前面に出しているカウンセラー/セラピストの民間資格で,もちろん誠実で良心的にやっている人もたくさんいるのは知っているけれど,結構な割合でクライエントさんを自分の心理的/物質的な欲求のために利用するようなカウンセラー/セラピストがいるということ。
僕が担当してきたクライエントさんの中には,過去にカウンセラー/セラピストにひどい扱いをされてきた人が時々いる。時々とは言っても,たぶん一般の人が想像する以上の高い割合だと思う。散々説教された,罵倒された,喫茶店やファミレスなど秘密を守れない場所で行った,個人的(性的を含む)関係に持ち込まれるなど,直接/間接を含めていろいろな話を聞く。どれもこれも,臨床心理士なら倫理規定に違反するようなことであるし,そういう教育がされていない,あるいはカウンセラー/セラピスト側の欲求を自身で自覚することなく(もしかしたら故意かもしれないがそんなものは論外)そういう言動をとっているのだろうけど,とにかく,そういう扱いを受けてきたクライエントさんの話を聴いていると,非常に憤りを禁じ得ない。
先日,といっても何ヶ月も前だけど,「私設心理相談」(要するに開業心理臨床)の研修会に行ってきました。それで,しばらくしてからその感想を書いてほしいと知り合いを通して依頼があって,自分の意見も含めて書かせていただいたので,それに関する話をしようと思ってます。例によって,ブログでは一般用語である「開業」という言葉を使わせていただきますので,(関係者の方)ご了承ください。研修会の感想はおいといて,自分の意見の部分を,もう少しざっくばらんに書きます。
臨床心理士に限らず,カウンセリング/心理療法の領域は民間資格が乱立状態で,数日程度の研修で資格が得られるお手軽なところから,学校的に1年程度のカリキュラムが組まれているところまでいろいろ。心理学を学びたいというニーズは,一時のブームは落ち着いてきているとは言ってもまだ結構あって,学びたい人が学べる場があるということはいいことだと思う。僕だって,認定クリエイティヴ・セラピストという民間資格の講師の一人でもあるわけで,コラージュや芸術療法,臨床色彩心理学に関心のある人にとってはそれを学べる場を提供している立場だし。問題にしたいのは,開業を前面に出しているカウンセラー/セラピストの民間資格で,もちろん誠実で良心的にやっている人もたくさんいるのは知っているけれど,結構な割合でクライエントさんを自分の心理的/物質的な欲求のために利用するようなカウンセラー/セラピストがいるということ。
僕が担当してきたクライエントさんの中には,過去にカウンセラー/セラピストにひどい扱いをされてきた人が時々いる。時々とは言っても,たぶん一般の人が想像する以上の高い割合だと思う。散々説教された,罵倒された,喫茶店やファミレスなど秘密を守れない場所で行った,個人的(性的を含む)関係に持ち込まれるなど,直接/間接を含めていろいろな話を聞く。どれもこれも,臨床心理士なら倫理規定に違反するようなことであるし,そういう教育がされていない,あるいはカウンセラー/セラピスト側の欲求を自身で自覚することなく(もしかしたら故意かもしれないがそんなものは論外)そういう言動をとっているのだろうけど,とにかく,そういう扱いを受けてきたクライエントさんの話を聴いていると,非常に憤りを禁じ得ない。