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Blogger's Avatar  2010-8-21 0:49
 夏休みは大きなイベントがあって,その疲労回復とでほとんどつぶれました。その分,リフレッシュはできて,学会発表の準備がようやく始まったという感じ。いろいろと考えを巡らせているところです。事例研究なので,事例を通して発表するわけだけど,それをどういう方向でまとめるかは,大まかには見えていても実際にまとめていく過程で変化が出てくる。自分と事例研究の間にある関係性のあり方は,ある種の自律性をもっているような気がする。どういう形で帰結するか,楽しみでもあり,産みの苦しみでもある。その結果は,できれば実際の発表でご覧ください。というわけで,学会発表に向けてプレイセラピーのことを考える一環で,このブログでも書いてみたいと思います。
 プレイセラピーの枠ということを考える中に,「限界設定」ということがある。これは,プレイセラピーに限られた考え方ではなくて,境界例の治療論でもよく出てくる。簡単に説明すると,クライエントさんの行動などに何らかの制限を設定することで,ここまではいいけどこれ以上はダメというような,線引きをすること。臨床的には,面接構造上の自我の枠(=守り)をきちんと設定することで,水準的には自我の守りが弱いクライエントさんを守り,その枠の中で安全にカウンセリング/心理療法を展開していくために必要になってくる。プレイセラピーの限界設定としては,遊びの展開があまりにも破壊的だったりする場合に,セラピスト側が限界を設定することで,子ども自身もセラピストも守ることができる。ただ,どこに限界設定の線引きをするかというのは,セラピスト自身の器というか限界もあって,そこを認識していないとセラピスト自身も脅威にさらされるし,かといってあまりにも限界設定が窮屈になると,プレイセラピーとしての広がりや深まりというものも制限してしまう。本質的には,子どもの状態を的確にアセスメントしつつ,子どもが展開するプレイが崩壊に向かわないギリギリのところで設定するのがベストだと思う。

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